空のギター
 ──事務所へ戻る前、五人は紘の弟妹と頼星の兄と対面した。豊島家の三兄弟はみんな可愛らしく、人懐っこい目元がよく似ている。底抜けに明るい兄としっかり者の妹、そしてやんちゃな弟といった感じでバランスも取れているようだ。

 硝子は頼星の兄を見るなり「本当にそっくりねぇ!頼星が成人したらこうなるんでしょうね」と口にし、にこやかに笑った。光夜と同じくらいの背である銀河は弟を指して、「こいつの扱いは凄く大変だと思いますけど、多分これからも雪那が何とかしてくれるんで安心して下さいね」と返し、みんなの笑いを誘った。

 S.S.Gに着いた五人を待っていたのは、デビュー一周年を祝う、ファンからの大量のプレゼント。Tシャツや靴下、フォトアルバムといった実用的な物から、紘が好きそうなお菓子の詰め合わせまで様々だった。

 中でも特に五人の目を引いたのが、「将来漫画家になりたい」という高2の女の子が描いた、A4サイズのイラストだった。豊かな色使いで、それぞれの特徴をよく捉えている。それは金の蔦模様がぐるりと施された額縁に入れられていて、社長の計らいですぐに談話室へ飾られた。先輩達からの評判も、とても良かった。
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