俺様上司は、極上の男!?
小声で反論すると、ようやく課長の鉄面皮が緩み、薄い笑顔が見えた。


「変態で結構。ほら、早く隠さないと危ないぞ」


からかわれてるのはわかるんだけど、課長にそんなことを言われたら困る。
心拍数が上がったっきり下がらない。


「はい、試着終了でーす!鮫島小花、行くよ!」


私は輪の中の小花に声をかけ、慌てて小応接室に引っ込んだ。


「つぐみセンパイ、顔赤い」


小花が冷静に突っ込むので、私は真っ赤な顔のまま、答えた。


「背中出しなれてないんだから仕方ないでしょ!?」


そんな風に反論したものの……。
うーん、ごまかせたかな。


課長の言った「この前の約束」。

やっぱり、なあなあにはなってないんだ。
期待してるのは、私だけじゃない。

そのことがいっそう、私の鼓動を早め、頬を熱くするのだった。




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