俺様上司は、極上の男!?
「太刀川サンも着てみたらー?きっと似合うよー」


リリさんがポージングをして見せながら言う。
私は苦笑いだ。


「いえいえ、実は社内で一回着させられてまして。もう恥ずかしくて散々でしたよー」


「そうなの?やだ、私も見たかったなぁ」


その時のことを思い出すと、同時に彼のことも脳裏をよぎる。

胸がぎゅうっと掴まれたように痛んだ。


「見るもんじゃないですよ。鍛えてないアラサーの露出は」


「聞き捨てならなーい。私なんかアラフォーですけどー」


「リリさんは鍛えてるじゃないですかー!」


やりとりはそこまで。カメラマンや撮影スタッフが揃い始めた。
挨拶をして、今日の撮影が始まる。




課長との一件があってから約1週間が経った。

まだ私の頭はぼーっと霞がかかったようになっている。
詳しく考えることも出来ず、日々をやり過ごしているに過ぎない。
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