俺様上司は、極上の男!?
課長に振られた。
想いを伝える機会すらなく、拒絶された。

深く考えれば、悲しくて打ちのめされそうになるから、少なくとも仕事中は考えないようにしていた。
ひとりになっても、けして泣かないように気を張っている。

泣いたら、終わり。
そんな気がする。
そう、私はまだこの恋を終わったことと片付けたくないのだ。

私に問題があったなら、諦めもつく。
でも、櫟課長は明らかに別な理由で私を拒絶した。
それを知るまでは、諦めきれない。

だって、こんなにも好きになってしまったのだから。



私の気持ちに反比例して、仕事で私と課長が関わることは激減した。

今週になって最初のミーティングでのことだ。
仕切り役の中尾さんが発表した。


『太刀川が抱えている案件のアシスタントを鮫島小花に任せることになりました』


素直に返事をする小花。
驚く私に気づかず中尾さんは続ける。


『今までは櫟課長がサポートをされていましたが、太刀川もだいぶ慣れてきたし、大きな山は越えたということもあっての決定です。櫟課長と私は当面、第1グループとの合同イベントに向けて仕事を進めますので、みなさんご協力よろしくお願いします』
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