俺様上司は、極上の男!?
あの夜も、こうしてキスをした。
たっぷりと時間をかけて、交わり合いながら何度も、互いの唇を貪った。
忘れたがっているくせに、こうして熱い刺激を加えられたら、身体はすぐさま思い出す。
ダメだと頭はわかっているのに、指先まで痺れたように動かない。

長いキスが終わる。
唇が離される瞬間、寂しさを感じてしまう自分が情けない。


「課長……こういうことは……やめましょう」


精一杯強がって拒絶してみても、今しがたのキスに浸りきっていたことは、課長だってわかっている。

櫟課長は心底楽しそうに笑った。


「続きもしたくなったら言え」


私はようやく、櫟課長の身体を押し退けることに成功した。
すり抜け、ドアを開ける。


「涙、止まってよかったな」


後ろで櫟課長が言った。




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