腹黒王子の取扱説明書
だいたい、俊は何時に出社してるのよ。

今、まだ八時だよ。

私が会社に出勤したのが、七時四十分。

会社の始業時間は八時三十分なのに……。

スケジュール帳にメモしながら、私は心の中でぼやく。

それにしても食事三人分って……俊と須崎さんと…あと誰?

「専務と須崎さんの他に誰が会議に?」

「君だよ」

俊が意地悪な笑みを浮かべる。

私は思わず絶句した。

何で私が!

ネイティブの英語なんて完璧に理解できないのに、会議に同席しろなんて拷問じゃない?

「私が参加したって何もわかりませんよ」

「君のTOEICのスコアは780だったよね?ちょっと実務レベルとしては微妙なんだよね。俺の来客は外国人も多いし、電話だって毎日のように海外からかかってくる。早く慣れてもらわないと」
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