腹黒王子の取扱説明書
……今ここでスコア言わなくたっていいじゃない。

どうせ俊は満点の990とかなんでしょう?

「微妙なスコアで悪かったですね」

だったら、英語の得意な人を秘書にすれば良かったのに……。

このスコアでも総務ではまだ高い方だ。

私が小声で呟くと、俊が方眉を上げた。

「ん?何か言った?」

「いいえ」

私は咄嗟に作り笑いする。

「あと、そこの段ボールの資料、ファイリングして棚に並べておいてくれるかな。今週までに片付けてくれればいいから」

俊が部屋の片隅に置いてある段ボールを指差す。

今週ってあと二日しかないんですけど……。

仕事もまだ全然覚えてないのに。

この悪魔!

この資料も……英語よね?

あ~あ、英語アレルギーになりそう。
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