腹黒王子の取扱説明書
俺だけが特別でありたい。

そんな事を考えているといい匂いがしてきて、麗奈が部屋に戻ってきた。

サイドテーブルの上にトレーを乗せる。

お粥の入った小さな鍋と、大根おろしの入った小鉢。

大根おろし?

じっと凝視していると、麗奈がクスクス笑った。

「その大根おろし、ハチミツ入りです。ちょっと喉が楽になるかなって思って」

「…材料買ってきたの?」

「はい。須崎さんに帰りにスーパーに寄ってもらって。ネギ一本買ったらすごく笑われましたけど」

「ネギ?」

「タオルにくるんで首にまくと、呼吸が楽になるんですよ」

麗奈が意地悪な笑みを浮かべる。

俺は彼女の言葉にぎょっとした。

「それを俺に巻けと……?」

本気か?
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