腹黒王子の取扱説明書
「秘書だからです」

麗奈はムキになってそう主張すると、俺からプイと目を逸らす。

「そういう可愛いことされると、悪さしたくなるんだよね」

俺はそう呟き、麗奈の顎をつかんでチュッと羽のようなキスをする。

彼女は意表をつかれたのか、固まっていた。

「だから、隙がありすぎ」

麗奈の顎から手を離し、俺は悪戯っぽく微笑む。

「だって……キスしないって約束したじゃないですか!」

麗奈がブルブルと震えながら顔を真っ赤にして怒る。

約束……ああ、そう言えばしたっけ。

でも、俺を惑わす麗奈が悪い。

「約束はしたけど、衝動って抑えられないんだよね」

俺はしれっとした顔で答える。

「この嘘つき!」

麗奈が両手の拳を握りしめながら怒るが、そんなの俺には全然怖くない。
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