腹黒王子の取扱説明書
この悪魔!

私は心の中で毒づく。

……復活するの早すぎだよ。

昨日の夜は高熱だったし、本当に辛そうで見ていられないほどだったのに……。

この回復の早さが秘書としては有り難いけど、私個人としては憎らしい。

今さら後悔しても遅いけどこんなに早く元気になるのなら、あのまま俊のベッドに放置して須崎さんと一緒に帰ればよかった。

もう一生風邪でも引いててくれればいいのに。

そうなれば私は安全だ。

「今度キスしたらまた噛みつきますよ」

私は挑戦的な目で俊を見上げる。

でも、彼には私の脅しなど通用しない。

「試してみようか?」

俊は口角を上げると私の脅しなど両腕を掴んで私の動きを封じ、顔を近づけた。
< 186 / 309 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop