腹黒王子の取扱説明書
すっかり俊は仕事モードに戻り、須崎さんに資料を手渡すと須崎さんと一緒に専務室を出ていく。

「……真面目に仕事してる時は格好いいんだけどな」

私は溜め息をつきながら呟く。

でも、須崎さんが現れてくれてよかった。

彼が部屋に入って来なかったら、またキスされるところだった。

俊が来客対応している間、私は彼に言われた書類の整理に没頭した。

書類は北米での営業活動に関するものが主で、全部英語だった。

辞書を引きながら書類を整理していくが、こんなに大量にあっては今週中に終わらない。途方にくれる。

俊に言ってもう少し時間をもらおう。

それから、俊から連絡があり、杏子と一緒に別の応接室にワゴンでお弁当とお茶を運ぶ。

「ジュピターの社長ってどんな人?私、まだ顔を見てないの」

配膳をしながら杏子に聞いてみる。
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