腹黒王子の取扱説明書
結婚……。

重い二文字。

でも……いずれって思うなら、早いか遅いかの違いか。

俊以外の人とは結婚したくない。それは、今はっきり言える。

ああー、もう考えると頭の中ぐちゃぐちゃになりそう。

もういいや。もう逆らうのはやめよう。

「他の女の子が良いって言っても離してあげませんよ!」

私がそう言って婚姻届にサインをして捺印すると、俊は私に軽く口付けて満面の笑みを浮かべた。

それから、二人で一緒に婚姻届を役所に提出すると、俊が嬉しそうに言った。

「今日から長谷部麗奈だよ。間違えないでね。それと、子供はあくまでも授かり物だから、今は二人の時間を楽しもう」

「はい」

私は幸せを噛み締めながらゆっくり返事をする。

まだ実感はないけど、そのうち慣れるのかな?

そんな事を考えていると、俊が私の気持ちを察したのか私の左手に目をやる。
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