腹黒王子の取扱説明書
男には執着しない。
先輩とも……もう三ヶ月。
「そろそろ……潮時かな」
先輩も来週から大学病院に戻るみたいだし……別れるにはちょうどいいかもしれない。
自分からわざわざ別れを切り出さなくても、離れてしまえばいずれは自然消滅。
今日は金曜日、彼に会うのもたぶん……今日が最後。
社内郵便で届いた郵便物を開封していると、いつものように先輩がお弁当を持って笑顔で現れた。
「今日はレストラン エスプリの米沢牛ハンバーグ&フォアグラ弁当だよ」
先輩は近くにいた麗奈にお弁当が入った紙袋を手渡す。
「きゃー、今日もすごい豪華ですね!」
美月が手を組んで祈るようなポーズで歓声を上げる。
私は慌ててデスクの上を片付けお茶の準備をしようと椅子から立ち上がる。すると、先輩と一瞬目が合った。
……何か言いたげ。でも、ニコニコ微笑むだけだ。
いまだにつかめない人。
「来週からこの豪華なお弁当ともサヨナラなんですね。前田先生、大学病院に戻られるんですもん」
美月が残念そうに呟く。
先輩とも……もう三ヶ月。
「そろそろ……潮時かな」
先輩も来週から大学病院に戻るみたいだし……別れるにはちょうどいいかもしれない。
自分からわざわざ別れを切り出さなくても、離れてしまえばいずれは自然消滅。
今日は金曜日、彼に会うのもたぶん……今日が最後。
社内郵便で届いた郵便物を開封していると、いつものように先輩がお弁当を持って笑顔で現れた。
「今日はレストラン エスプリの米沢牛ハンバーグ&フォアグラ弁当だよ」
先輩は近くにいた麗奈にお弁当が入った紙袋を手渡す。
「きゃー、今日もすごい豪華ですね!」
美月が手を組んで祈るようなポーズで歓声を上げる。
私は慌ててデスクの上を片付けお茶の準備をしようと椅子から立ち上がる。すると、先輩と一瞬目が合った。
……何か言いたげ。でも、ニコニコ微笑むだけだ。
いまだにつかめない人。
「来週からこの豪華なお弁当ともサヨナラなんですね。前田先生、大学病院に戻られるんですもん」
美月が残念そうに呟く。