腹黒王子の取扱説明書
「ああ、めんどくさ。こっちに来るわ」
杏子がチッと舌打ちする。
めんどくさって一応兄だし、うちの会社の役員でしょう?
専務が爽やかな笑顔を浮かべながら、こっちに歩いてくる。
「外にでも食べに行けばいいのに」
杏子が専務に向かって作り笑いを浮かべながら、ボソッと呟く。
これは苦手って言うより、嫌いなんじゃない?
仮面夫婦ならぬ仮面兄妹?
あっ、でも、杏子が一方的過ぎるから違うか。
確かに完璧すぎるのって逆に引くけど……。
「隣、良いかな?」
専務が杏子にではなく、私に女を瞬殺するような笑顔で聞いてくる。
この笑顔を見て断れる人っているだろうか?
私は専務の顔に見惚れながら、コクリと頷く。声は出てこなかった。
杏子がチッと舌打ちする。
めんどくさって一応兄だし、うちの会社の役員でしょう?
専務が爽やかな笑顔を浮かべながら、こっちに歩いてくる。
「外にでも食べに行けばいいのに」
杏子が専務に向かって作り笑いを浮かべながら、ボソッと呟く。
これは苦手って言うより、嫌いなんじゃない?
仮面夫婦ならぬ仮面兄妹?
あっ、でも、杏子が一方的過ぎるから違うか。
確かに完璧すぎるのって逆に引くけど……。
「隣、良いかな?」
専務が杏子にではなく、私に女を瞬殺するような笑顔で聞いてくる。
この笑顔を見て断れる人っているだろうか?
私は専務の顔に見惚れながら、コクリと頷く。声は出てこなかった。