また、君を笑わせよう

壬生寺での暮らし

[同時刻]



「そこの君。」



気持ちよく寝ていたら、木の下から声がした。



「ふわぁ〜……はっ!」



呑気に欠伸なんかするんじゃなくて、俺は慌てて木から飛び降りた。



声をかけてきた人を見て、俺の顔からサァーと血の気が引いた。



「ごごごごめんなさい!!」



勢いよく頭を下げる。



(しまったここ寺じゃん!お坊さんがいてもおかしくないのに!)
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