無理矢理繋いだ赤い糸
高校時代、なにかと俺を敵対視してた香山沙希。
サラサラの黒髪を後ろで一つに結んでて、ゾクッとするくらいキレイなうなじを曝け出してた女。
その頃、顔とか足とか胸とかに目がいく事があっても、うなじにドキッとするなんて考えた事もなかったから、後ろの席になった時に俺はかなり焦った。
なんかムカついて、その髪の毛を止めてるでっかいピンみたいのを取って、髪を解いてやったのになんかすげぇスカッとしたんだけど。
しかも、「なにすんのよ?」って怒り心頭で振り返ったその顔が、なんかもう俺のドストライクで。
けどそれと引き換えに、どうやら決定的に嫌われちまったらしいけど、俺は沙希に強く惹かれた。
気が付けば沙希を好きだ、って意識するくらいになってたけど、幾ら優しい言葉を掛けてもあの女は振り向きやしなかった。
あの頃は無駄に片想いで時間を潰すつもりなんかなかったから、言い寄ってくる女と適当にキモチイイ事して。
それでも、いつでも俺が一番欲しかったのは香山沙希で、唯一、沙希が俺を意識してくれる成績の部分では、何食わぬ顔をして絶対に俺より上位にはいかせてやらなかった。