無理矢理繋いだ赤い糸
「沙希」
呼ばれて顔を上げれば、ベッドルームの扉のところに彼の不機嫌な顔。
「なに?」
「なにじゃねぇよ……ほら、早く来いよ」
強引な彼はただ私に命令をして、壁に寄りかかるようにして私が近付くのを待っている。
「ね、もう寝るの?」
「ん?寝ねえよ?」
「そうなの?」
「ん、お前を抱くだけ?」
「え?」
近付いた腕を強く引かれて、彼の胸にトン、とぶつかるような形で抱き寄せられる。
ベッドルームの扉が閉まって中へ引き込まれると、食らい付くみたいな勢いで唇を塞がれた。