無理矢理繋いだ赤い糸



「昔好きだった男の事でも考えてた?」

一旦唇が離れた隙間でそんな事を言われて、息が上がってしまった私は、そのデリカシーのなさに腹を立てる。
なにもこんな状況で言う事ないじゃない、と思って、逆よ、と言いながら、互いの唾液で濡れる彼の唇に自分のを押し当てた。



「逆って?」

主導権を絶対に譲りたくない彼は、キスを続けたい私の身体を引き離してまで、わざわざ問い掛けてくる。
私はやっぱりまた、この会話を続ける彼のデリカシーのなさに悪態を吐きたくなった。




< 4 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop