神様がくれた宝物

 「うん!これ…川瀬くんのかと思って」




 そう言いながらあたしはスカートのポケットに入っている琥珀石のペンダントを手に取って出した。




 「あ、これ俺の…っ。なんでお前が…」




 「やっぱり!今朝拾ったんだ。拾っといてよかった~」




 川瀬くんにペンダントを渡すと、軽くありがとうと言われた。





 「その石ってコハク、だよね。琥珀って神様のホクロって言われてるんだっけ?」



 「ちげぇよ、ホクロじゃなくて涙。神様が流した涙を、太陽が乾かしてできた石…」





 そうあたしに説明する川瀬くんの顔は相変わらず無表情だけどかっこいい。




< 16 / 21 >

この作品をシェア

pagetop