神様がくれた宝物
あたしの方を振り返った川瀬くんは、今にも泣きだしそうな、それとも怒っているのかわからない苦い表情を浮かべていた。
「…うん!いると思うよ、神様」
どう答えるべきだったのかは、わからない。
あたしは、あたしが感じたように川瀬くんの質問に受け答えた。
「…なら、なんで俺はまだ生きてるんだ?」
ザアァ、と波の音と共に聞こえた、川瀬くんの心の叫び。
「…え?い、今なんて…キャッ!?」
あたしの横に座りに来た川瀬くんは、あたしに顔を近づけた。