食人姫
「は?」


突然何を言い出すかと思ったら、何でこのタイミングで。


でも、哲也は冗談を言ってるような感じではない。


笑ってはいるけど大真面目な時の顔だ。


「ちょ、ちょっと、何でいきなりそういう話になるわけ!?あ、まさか、どうせ最後なら麻里絵とエッチな事させようとか考えてるだけじゃないの!?ダメ、ダメだからね!」


顔を真っ赤にして、由奈が想像以上の猛反対を見せる。


どうして由奈が顔を真っ赤にしてるんだか。


「……なるほどね。巫女になるには生娘じゃないとダメって事は……」


「それだよ、処女じゃなくなれば良いわけだろ?だったら、やっちまえばそれで解決じゃね?」


麻里絵を助けるという意味では、それは正しいかもしれない。


「いや、ダメだろ。麻里絵とやっても、多分、それが知られれば他の女子が巫女にされるだけだと思う。次は由奈かもしれないし」


一応考えていた事ではあったけど、その可能性があるなら意味がない。


結局誰かが死ぬ事になるのだ。


「そ、そうか……でも、いざとなったら悪くねえ手だと思うけどよ。とりあえず由奈、今のうちに処女捨てとくか?」


「ほ、本当に頭おかしいんじゃないの!?そ、そんな事するわけないでしょ!!」


哲也の言葉で由奈が怒ってしまったけど……麻里絵を助ける為なら、やはり最終手段はそれしかないのかもしれない。
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