first love
一時間ほど飲んで、
あたしたちはタクシー乗り場で別れた。
帰宅すると、珍しく翔のほうが先に帰ってた。
「おかえり。
今日もアフター?」
「マナミと飲んでた。
翔早くない?」
あたしがそう言うと翔はバラの花束をあたしに渡す。
「なにこれ!?」
「No.1おめでとう!
そうならそうと言ってくれればいいのに!
看板見て知ったよ!!」
何本あるのかも分からない、赤いバラ。
「だって、翔、キャバやめろとか言うし、なんか仕事のこと言いづらくて」
あたしはそのバラを見つめた。
こういうキザなところ、翔っぽい。
「なんか…一昨年の誕生日思い出す。
初めて、翔に祝ってもらった時もこんなたくさんのバラもらったよね」
「美華ってバラっぽい。」
「ふふっ。なにそれ?」
「華やかなところと、トゲで自分を守ってるところ。」
翔はそう言うとあたしが何か言う前に、キスした。
「今日さ、雪降ったよね」
翔が窓から外を見下ろした。
「美華と初めて会った日のこと思い出したよ」
あたしもだよ。
だけど、言わないのは、
あんたのことばかり考えてるって知られたくないから。
「看板、見てどう思った?」
翔の隣、マイさんからあたしになってたんだよ。
「やっぱり美華は歌舞伎町の真ん中が似合うなーって!」
翔は一番欲しい言葉をくれない。
期待しちゃうあたしが悪いの?
翔の隣はマイさんよりあたしの方がいいって、言って欲しかったよ。
「どうしたの?美華」
「ううん、なんでもない」
きっと…
あの場所を取り返したところで
翔は何も変わらない。
ただのあたしの自己満足。
あたしがどれほど頑張っても、
翔を独り占めはできない。
あたしだけのものには、きっとこの先一生なんないよね。
あたしたちはタクシー乗り場で別れた。
帰宅すると、珍しく翔のほうが先に帰ってた。
「おかえり。
今日もアフター?」
「マナミと飲んでた。
翔早くない?」
あたしがそう言うと翔はバラの花束をあたしに渡す。
「なにこれ!?」
「No.1おめでとう!
そうならそうと言ってくれればいいのに!
看板見て知ったよ!!」
何本あるのかも分からない、赤いバラ。
「だって、翔、キャバやめろとか言うし、なんか仕事のこと言いづらくて」
あたしはそのバラを見つめた。
こういうキザなところ、翔っぽい。
「なんか…一昨年の誕生日思い出す。
初めて、翔に祝ってもらった時もこんなたくさんのバラもらったよね」
「美華ってバラっぽい。」
「ふふっ。なにそれ?」
「華やかなところと、トゲで自分を守ってるところ。」
翔はそう言うとあたしが何か言う前に、キスした。
「今日さ、雪降ったよね」
翔が窓から外を見下ろした。
「美華と初めて会った日のこと思い出したよ」
あたしもだよ。
だけど、言わないのは、
あんたのことばかり考えてるって知られたくないから。
「看板、見てどう思った?」
翔の隣、マイさんからあたしになってたんだよ。
「やっぱり美華は歌舞伎町の真ん中が似合うなーって!」
翔は一番欲しい言葉をくれない。
期待しちゃうあたしが悪いの?
翔の隣はマイさんよりあたしの方がいいって、言って欲しかったよ。
「どうしたの?美華」
「ううん、なんでもない」
きっと…
あの場所を取り返したところで
翔は何も変わらない。
ただのあたしの自己満足。
あたしがどれほど頑張っても、
翔を独り占めはできない。
あたしだけのものには、きっとこの先一生なんないよね。