first love
あたしは翔の店前にいた。



ドレス一枚で立ち尽くすあたし。



…バカだよね。
あたし、あの店と翔しかないんだ。

他に行ける場所がないんだ…。






行き交う人の視線を感じる。

あたしの名前を口にする声も聞こえてくる。





「神崎美華!??」

店内から出てきた1人の男に声をかけられる。


「あの…翔…「翔さんっすね!いますよ!翔さん指名でいいですか?」


あたしが頷くと強引に店に入れられた。



初めてのホストクラブ。


暗い照明、きらびやかなシャンデリア。

似たようなスーツを身にまとう男たち。


その中でもやっぱり翔は目立っていた。




「え!??美華!???」


目があうなり、翔があたしに駆け寄る。
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