消えない傷-Only You-
「比呂くん…!」
彼の背中にしがみつく。
その体は震えていた。
「クソ!離せよ!!」
「イヤ…っ」

事故に遭ったのは彼も同じだった。
ふたり手を繋いで歩いていたのだ。
そこにトラックが突っ込んできた。
ドライバーの居眠り。
茉莉は即死。
比呂くんだって1年も生死をさ迷った。

「私は比呂くんが生きてて良かったと思ってる!」
「沙耶…?」
「茉莉もそう思ってるハズだよ?きっと茉莉が助けてくれたんだよ…!」
「お前に何が分かる!?」
突き飛ばされて私はアスファルトに崩れた。
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