情熱のメロディ
 「でも、僕は困っている。君が僕の選んだドレスを着てくれなかったから。この姿の君を見た時からずっと……脱がせたくて、たまらなくて……困っている」

 カイはそう言って、そのまま唇をアリアの背に滑らせた。同時にジッパーを迷いなく降ろしていく。コルセットも器用に外して、カイは露になったアリアの背に何度もキスを落とした。

 アリアはギュッと目を瞑り、緩くなって心もとない胸元で両手を握り締めた。

 ベッドがふわりと少し浮いて、カイが床に膝をつく。やがて、カイのキスがアリアのふっくらとしたヒップへ辿り着くと、カイはアリアの腰に手を添えた。

 「アリア……立って」
 「あ……でも……っ」

 アリアは肩越しに振り返ってカイを見る。このまま立ったら、アリアは素肌を晒してしまう。これから起こることがそういう行為だとわかってはいても、羞恥心が邪魔をする。

 だが、アリアを見上げるカイはとても妖艶で逆らえないほど強い視線をアリアに注いでいた。アリアは震えながら、ゆっくりと立ち上がる。それが男を焦らし、煽る行為だと知らないアリアを、カイは観察するようにじっと見つめていた。

 そして、カイはゆっくりと立ち上がり、アリアの後ろから手を回して彼女の胸元で握られた小さな手を包み込む。

 「手も、離して」
 「ぁ……」

 耳元で囁かれ、アリアはビクッとしてカイの手に導かれるように胸元から手を離した。ストンとドレスがアリアの足元へ落ちる。コルセットもカイがゆっくりアリアの肌から剥がし、床へ落とす。
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