情熱のメロディ
「キス……?君と……中庭でしたのが初めてだよ」
「う、嘘です!だって、カイ様は――」
最初からとても上手かった。何度も触れた唇は、アリアを甘く溶かして、今日の濃厚なキスだって慣れていたように思えた。
「えっと……その、見よう見真似、というか……お父様とお母様はたくさんキスをするからね」
カイは困ったように笑い、アリアと額を合わせる。
「でも、今日の……キスは、緊張した。その……知識しか、なかったし」
「ほ、本当に……?」
アリアが上目遣いでカイを見ると、カイは「本当」と言ってまたキスをしてくれる。
「ねぇ、アリア。僕はずっと君のことが好きだったんだよ。君の演奏を、初めて聴いたときからずっと……もう、何年も前だよ」
「初めて……?」
それは、いつのことだろう。アリアは幼い頃からいろいろなコンクールにも出ていたし、コンサートにも参加していた。
カイが観に来るような大きなものに出るようになったのは、音楽学校に入る少し前からだから、5・6年前くらいだろうか。
「炎の祭典の、マーケットで……小さな催しだったけれど、僕はユリア姉様たちといたんだ。アリアは真っ赤なドレスを着ていて、一生懸命バイオリンを弾いていた」
「あ……発表会……」
幼い頃に習っていたバイオリン、毎年炎の祭典――フラメ王国の宗教、シュトルツの大きな祝いの日で、炎属性の力を与えてくれた神に祈る――に合わせて発表会があった。そこで、カイはアリアを見つけた。
「う、嘘です!だって、カイ様は――」
最初からとても上手かった。何度も触れた唇は、アリアを甘く溶かして、今日の濃厚なキスだって慣れていたように思えた。
「えっと……その、見よう見真似、というか……お父様とお母様はたくさんキスをするからね」
カイは困ったように笑い、アリアと額を合わせる。
「でも、今日の……キスは、緊張した。その……知識しか、なかったし」
「ほ、本当に……?」
アリアが上目遣いでカイを見ると、カイは「本当」と言ってまたキスをしてくれる。
「ねぇ、アリア。僕はずっと君のことが好きだったんだよ。君の演奏を、初めて聴いたときからずっと……もう、何年も前だよ」
「初めて……?」
それは、いつのことだろう。アリアは幼い頃からいろいろなコンクールにも出ていたし、コンサートにも参加していた。
カイが観に来るような大きなものに出るようになったのは、音楽学校に入る少し前からだから、5・6年前くらいだろうか。
「炎の祭典の、マーケットで……小さな催しだったけれど、僕はユリア姉様たちといたんだ。アリアは真っ赤なドレスを着ていて、一生懸命バイオリンを弾いていた」
「あ……発表会……」
幼い頃に習っていたバイオリン、毎年炎の祭典――フラメ王国の宗教、シュトルツの大きな祝いの日で、炎属性の力を与えてくれた神に祈る――に合わせて発表会があった。そこで、カイはアリアを見つけた。