彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
「はい。思い出話しをしてくれるのはいいんですが、その記憶が全く違うんです」


「記憶が違う?」


秋匡さんは首をかしげる。


そこで、俺は自分には結音という彼女がいることを初めて秋匡さんに話してきかせた。


結音が事故で目を覚まさない事も、彼女人形を作った理由も。


よく知りもしない他人に、ベラベラと結音の事をしゃべっている自分が信じられなかった。


でも、彼女人形を販売している秋匡さんになら、聞かれても大丈夫かもしれない。


なんて、単純に思ったんだ。


「なるほど。燈里君はその彼女と同じ記憶にしたいワケだね?」


「そうです」


俺はうなづく。


長い話を一発で理解してくれる秋匡さんに感謝した。
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