さよならさえ、嘘だというのなら

「私。あの子が颯大と仲良くしてたから、嫉妬してあの子にイジワルしてた」

「うん」

「悪かったって反省してる」

「うん」

「今度会えたら……謝りたい」

「……だな」

今度

いつ会えるんだろう。



俺は高校卒業後
町の商工会にすぐ就職し
町に残った。

この町が裕福なのを
給料をもらって理解する。

ハンパないぞ
この初任給。

大学へ行くのも考えたけど
父親のコネもあり
商工会で二名の募集をしてたので
試験を受けると合格し
そちらへと進む。

例の話は
高校の卒業式が終わり
役場の人が来て俺達に話をし
家に帰ってから
祖父に聞く。

「呪われた血と思わないでほしい」

そう言われて
しっかり心に刻み込んだ。

他のみんなも
素直にそれを受け入れる。

それが俺達の運命

この町に生まれた俺達の
逃れられない運命だから。
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