森田当麻の奇妙事件簿2

だが、当麻は気にした様子もなく、ポケットから小型の録音機を取り出した。

「証言ありがとう。これを君のお母さんに聞かせるよ」

「ちょっ……!!やめてよ!!そんなことしたら、私がいじめてたってバレちゃう……」

録音機を奪おうとする美優を、当麻がにらみつけた。

その瞳はいつもの気だるけさなんて感じさせない、鋭い鷹のような目付き。

「バレてもいいだろ。そんなに、自分が周りから何かバッシングを受けるのが怖いのか?お前と同じ気持ちだったんだろうな。……友明も。」

それだけ言い残すと、当麻がさっさと部屋を出ていく。

優衣もそのあとを追いかけ、部屋を出た。

「なんでっ……!!なんでよぉっ!!」

崩れ落ち、嗚咽をあげて泣く。

すると、美優の携帯が着信した。






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