運命のヒト
海南東高校
愛知県にある普通の公立高校
そこに僕は通っている
校門の前で立ち止まり時計を見た

AM8:45…

遅刻組を待ち構えている体育教師の先生に見つからないよう校舎に入った
教室を覗くと社会科の渕上が授業を始めようとしてる

「最悪っ…」

思わず小声でぼやいた
それに気づいたか渕上がこっちを向く
まぢで地獄耳だ

「梶谷、入ってこい」
「…はぃ」

諦めて教室に入った
聞き飽きるくらい体験した渕上の説教タイムが始まる
最悪だ…
返事が無ければすぐキレる
目をそらしたらもっとキレる
なんとも扱い辛い人間だ
クラスメートの方を見ると一番後ろの女子が口パクで何か伝えようとしている

「ばぁか」

すぐにわかった

「てめぇ!」

その瞬間に渕上の蹴りが炸裂した

「なんだ?俺に何か文句でもあるのか」
「いぇ…、だってあいつが…」

2発目が炸裂
今日はこんなもんで済んで助かった方だ
しかし、後ろで幸せそうに笑ってるあいつを見ると腹がたつ

上野 綾、昔からの幼なじみで俺をはめやがった女子だ

「お疲れさん」

軽く聞き流して綾の隣の席に座った
よく考えたらコイツはいつもそぅだ
何かと俺に絡んでくる
何回はめられたことか

「和也って寝坊多いょね」

と笑ってばかにしてきた

「言っとくけど寝坊したわけじゃないからね」
「じゃあ、何?」
「別に何でもいいだろ」
「嘘ついたんだ」
「ぅるせぇな」

こんな感じで平凡な1日がスタートした
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