歪な愛のカタチ


「さっきの誰?」


ホテルの部屋に入ると

不機嫌な声がした。


『え……あ…高校の同級生…』


そう答えた。


私は嘘をついてない。


けど、佐々木さんは


「この前の男か?」



『本当に、ただの同級生で、何もないの…』


何言っても、わかってくれない。


佐々木さんがこうなると

私はお手上げだ。



「そんなに俺を怒らせたいの?」


私はそんな事これっぽっちも思ってない。


『そんなこと……きゃっ』


またベッドに投げられた。



「佐々木さん、やめて…ごめんなさい」


そんなこと言っても

佐々木さんは手を休まない。


涙がでる。


『い…痛い……やめて』


「香織……香織……」



こうなると、もう終わるのを待つしかない。



早く終わって……


そう思っていた。
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