新撰組〜ずっと一緒にいたい〜
『お梅さん…。』


梅「うちは、あんたになら殺されてもいい。芹沢はんもそう思うてる。」


『お梅さんと芹沢さんを…?!』


そんなこと出来るわけがない。


出来ない。


梅「お願いや!あんたなら許せる。うちは、あんたにならいいんや!」


そう言ったお梅さんはすごく切なく泣きそうな声だった。


すごく必死だった。


分からない。


どうしてそこまで出来るのか。


そして、私に「殺して」なんて言うのか。


分からないんだ。


この時代の考えは何故ここまで「死」を選ぶのか。


梅「あんた、何か隠し事しとるやろ?それに気づいてるんは芹沢はんとうちだけや。あんたにも事情があるんかもしれん。」


そこで一旦言葉を止めて私を見た。


梅「うちは、あんたのこと自分の子供や思てる。芹沢はんにとってもきっとそうなんやろ。」


『お梅さん…』

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