恋愛優遇は穏便に
高清水さんの隣に座り、支度をしていると、ガタンと大きな音を立ててドアが開いた。


「おはようございますっ!」


「五十嵐くん、おはよう。だから、何度いったらわかるかな。ドア壊れるって」


北野さんはあきれた顔をして政宗さんに注意していた。


「あはは。すみません。みなさん、おはようございます」


半そでのシャツに、水色のネクタイを締め、黒いスーツのズボンを履いた政宗さんがやってきた。

ちらりと政宗さんがこっちをみてきた。

おはようございます、と声を出し、おじぎをした。

政宗さんの口角がきゅっとあがっていた。


「夏休み、満喫しました?」


政宗さんは持っていたカバンを机に降ろし、北野さんに話を振っていた。


「あれ、五十嵐くん、日焼けしてないわね」


うふふ、と北野さんが笑っている。

北野さんも高清水さんも少しだけ焼けていた。

ドキっとして私も自分の腕をみる。

そういえばあまり日焼けしなかった。


「まあいいじゃないですか。ゆっくり休めたんですし。朝礼をはじめましょうか」


皆席をたち、もう一度挨拶をかわして、今日の業務内容を確認した。


「まだ夏休み明けで体がついていけないかもしれませんが、よろしくお願いします」


簡単な朝礼が終わると、政宗さんも北野さんも外へ出る準備をしていた。


「森園さん、この書類、入力お願いします」


「わかりました」


高清水さんから書類を渡され、入力を始める。


「それではいってきます!」


と政宗さんが音頭をとり、北野さんと政宗さんは外へ出る。

やっぱり政宗さんはちらりと私のほうを見てニコリとほほ笑んでから出ていった。
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