恋愛優遇は穏便に
午後2時を回ったところで、郡司さんが会社にやってきた。
応接室に通して、郡司さんにお茶を出すと、最近寒くなりましたねえ、お茶のおいしい季節になりましたね、なんていうよくある会話をしながら話が始まった。
「どうですか。仕事の調子は」
「ええ、大丈夫です」
「会社の環境や職場の仲間とはどうでしょう」
「え、ええ、なんとかやってます」
「それならいいんですけど。引き続きお願いします。あと、ここで話すのもなんですが、ついでといったらなんですけど、もう一社の話ですけど」
「……はい」
政義さんの会社のことか。
正直、ここで話したくなかったけれど、仕方なく話を聞くことにした。
「その後はどうですか? 僕らも森園さんの働きにはありがたい気持ちでいっぱいです」
「いえ、そんなことはありません」
「で、五十嵐室長からお話があったかと思いますが、契約満了時に入社は希望されるのでしょうか?」
「え……入社ですか」
「契約期間は3ヶ月になります。そのあと1ヶ月ごとの更新になっているんですが」
「9月からでしたよね。となると、今月が3ヶ月目ということになりますか?」
「ええ」
「今すぐ決めないといけませんか?」
「いえ、こちらの契約も残っていますが、こちらの契約も3月末で切れて、契約更新になりますけど。急がなくてもいいんですが、もし4月入社を希望であれば、人事のこともあるので、早急にお返事をいただきたいんですけど」
正社員の道を郡司さんから提示されるとは思ってもみなかった。
応接室に通して、郡司さんにお茶を出すと、最近寒くなりましたねえ、お茶のおいしい季節になりましたね、なんていうよくある会話をしながら話が始まった。
「どうですか。仕事の調子は」
「ええ、大丈夫です」
「会社の環境や職場の仲間とはどうでしょう」
「え、ええ、なんとかやってます」
「それならいいんですけど。引き続きお願いします。あと、ここで話すのもなんですが、ついでといったらなんですけど、もう一社の話ですけど」
「……はい」
政義さんの会社のことか。
正直、ここで話したくなかったけれど、仕方なく話を聞くことにした。
「その後はどうですか? 僕らも森園さんの働きにはありがたい気持ちでいっぱいです」
「いえ、そんなことはありません」
「で、五十嵐室長からお話があったかと思いますが、契約満了時に入社は希望されるのでしょうか?」
「え……入社ですか」
「契約期間は3ヶ月になります。そのあと1ヶ月ごとの更新になっているんですが」
「9月からでしたよね。となると、今月が3ヶ月目ということになりますか?」
「ええ」
「今すぐ決めないといけませんか?」
「いえ、こちらの契約も残っていますが、こちらの契約も3月末で切れて、契約更新になりますけど。急がなくてもいいんですが、もし4月入社を希望であれば、人事のこともあるので、早急にお返事をいただきたいんですけど」
正社員の道を郡司さんから提示されるとは思ってもみなかった。