恋愛優遇は穏便に
「切ないなあ」
政義さんがぽつりとつぶやいた。
私は自分の仕事を進めて聞こえないふりをした。
「せっかくのクリスマスだっていうのにね」
はあ、と強めのため息をつき、政義さんが立ち上がり、私の席の隣に立った。
「クリスマスの計画はあるの?」
「別にいいじゃないですか。今、仕事中ですよ」
政義さんの目もみず、書類に目を通しながら話をした。
「今日、ここの会社最後だから、食事でもどうかな、って」
政義さんが申し訳なさそうな声で話しかけてくる。
「予定がありますから」
「そっか。用事か。早くむつみチャンを予約しておくべきだったかな」
「予約だなんて」
顔をあげると、いつも自信有り気な顔つきの政義さんがしぼんでみえた。
しぶしぶ政義さんは自分の席に戻り、仕事を再開していた。
仕事が済むと、自分の机の中の整頓をして、定時になった。
勤務表を提出し、政義さんにサインしてもらった。
「短い間でしたけど、お世話になりました」
「お世話か。もっとむつみチャンのこと、知りたかったんだけど」
「ありがとうございました」
政義さんの言葉に応対することもなく、勤務表をもらい、カバンに詰める。
「ICレコーダーの件ですけど」
「ああ、あれね」
「ご自由になさってください。政宗さんに対しての攻撃材料にしても、もうそれを使えないと思いますから」
「むつみチャン、もしかして」
「ご想像におまかせします。お先に失礼します」
「またむつみチャンに会えること、楽しみにしているよ」
出入り口に立つと、政義さんの銀縁のメガネが光ったような、気がした。
「サンタさんにでも、今夜、お願いしようかな。なんてね。お疲れ様」
政義さんはニヤっと私に向けて笑う。
私は一礼して、会社を出ていった。
政義さんがぽつりとつぶやいた。
私は自分の仕事を進めて聞こえないふりをした。
「せっかくのクリスマスだっていうのにね」
はあ、と強めのため息をつき、政義さんが立ち上がり、私の席の隣に立った。
「クリスマスの計画はあるの?」
「別にいいじゃないですか。今、仕事中ですよ」
政義さんの目もみず、書類に目を通しながら話をした。
「今日、ここの会社最後だから、食事でもどうかな、って」
政義さんが申し訳なさそうな声で話しかけてくる。
「予定がありますから」
「そっか。用事か。早くむつみチャンを予約しておくべきだったかな」
「予約だなんて」
顔をあげると、いつも自信有り気な顔つきの政義さんがしぼんでみえた。
しぶしぶ政義さんは自分の席に戻り、仕事を再開していた。
仕事が済むと、自分の机の中の整頓をして、定時になった。
勤務表を提出し、政義さんにサインしてもらった。
「短い間でしたけど、お世話になりました」
「お世話か。もっとむつみチャンのこと、知りたかったんだけど」
「ありがとうございました」
政義さんの言葉に応対することもなく、勤務表をもらい、カバンに詰める。
「ICレコーダーの件ですけど」
「ああ、あれね」
「ご自由になさってください。政宗さんに対しての攻撃材料にしても、もうそれを使えないと思いますから」
「むつみチャン、もしかして」
「ご想像におまかせします。お先に失礼します」
「またむつみチャンに会えること、楽しみにしているよ」
出入り口に立つと、政義さんの銀縁のメガネが光ったような、気がした。
「サンタさんにでも、今夜、お願いしようかな。なんてね。お疲れ様」
政義さんはニヤっと私に向けて笑う。
私は一礼して、会社を出ていった。