恋愛優遇は穏便に
「むつみさんが嘘をつく分、その倍以上の嘘を僕はつきます。僕が悪者になれば、むつみさんは悪者にならなくてすむんですから」


そこまで政宗さんを追い詰めていただなんて思ってもみなかった。


「そんなこと、しないでください」


「むつみさんは今回の件で懲りたでしょうから、もうこんな真似はしないとわかっていますよ」


私は強く頷く。

それをみて、政宗さんは安心したのか、ぎゅっと抱きしめた。


「もちろん、体のように焦らしたままですが、ちゃんと将来のことは考えていますから、安心してください」


「……政宗さん」


「さて、明日から忙しくなりますが、まずはむつみさんの体をじっくり味わってからにしましょうか」


「はい……」


「不安にさせていたのは仕方ないですが、これからは毎日、ずっと一緒ですからね」


「政宗さんと一緒にいられるだけで、本当に幸せです」


「さて最終的なプランが残っています。目まぐるしく変化するかもしれませんが、僕についてきてください」


「ええ、もちろんです」


ゆくゆくは結婚へむけて話が進んでいくんだろう。


政宗さんのプラン通りに私も一緒に追いかけていく。


政宗さんとなら、もう怖くない。


「今までが不純な愛ならば、今は純粋に愛してます。僕だけのむつみさん」


政宗さんは赤いリボンを手にした。

手首にするするとすべらせるように、赤いリボンをかけられる。

白い肌に食い込まれたリボンを見て、私の右手の薬指にはまったリングをみた。

リングの内側にも赤い輪があったことを伝えようとしたとき、目の前が暗くなる。

遮られた環境の中で、私は政宗さんからの甘い罰を受けた。



(了)
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