恋愛優遇は穏便に
『RWG』の白いロゴが入ったドアを締めて、エレベーターに飛び乗る。

オフィスビルから出るまで、緊張で胸が苦しくなった。

一階について、オフィスのロビーに出る。

エレベーターホール脇にある企業一覧の看板には、24階にすでに『リソースワークグループ株式会社・統括マーケティング・マネージメント室』のプレートの文字があった。

営業帰りのサラリーマンとみられるスーツをきた男性たちがやってきて、エレベーターを待っていた。

私はエレベーターホールからまっすぐのびるロビーを抜けて大きな自動ドアを開けて外へ出た。

街路灯に照らされた木の葉が揺れている。

ぬるい風を顔全体に感じ、蒸し暑い空気を嗅いだ瞬間、はあと強めの溜め息が出た。

どうしよう。新しい仕事の依頼が私にくるなんて。

今の仕事を続けて別の仕事も出来るなんてありがたい。

あまり仕事ができないと思っていたのに、声をかけてくれる会社が出てくるなんて思ってもみなかった。

やってみたい、という気持ちが心の奥底から沸いている。

だけど。

ちゃんと両立できるか不安だった。

政宗さんに相談しようか。

でも、自分の問題でもあるし。

ぐるぐると頭をかけめぐりながら、スーパーへ立ち寄り夕食を買いこんで自宅へ戻った。
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