恋愛優遇は穏便に
あまりすっきりとはしない目覚めだった。

スマホのアラームで起こされ、しぶしぶ体を起こし、朝ごはんとお昼のお弁当をつくる。

昨日の夜からずっと新しい仕事のことを考えていた。

政宗さんに相談しようか。

今の仕事との兼ね合いもあるけれど、自社関連会社っていうところで政宗さんに言ったとしても関係ないだろうし。

とりあえず週1日だけだから、両立できそうだ。

すでに気持ちは新しい仕事をやりたいという方へ傾いている。

連絡を入れよう。

仕事にのめり込めれば、あのことなんて忘れられるはず。

キスしてしまったことは夢だったってそう思えばいい。

適当な朝ごはんをつまみ、お弁当をカバンにつめこむ。

支度をすませ玄関のドアを開ける。

まだ蝉の鳴き声が聞こえてきた。

まだ夏は終わっていないんだと、外の熱気にげんなりした。
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