恋愛優遇は穏便に
郡司さんと一階下へ降り、会社へ向かった。

他の会社に混じり、奥にオフィスをかまえていた。


「出先から戻ると連絡があったので中で待っていましょう」


ガラス張りのドアを開ける。

受付用の空間は派遣会社と変わりなく、電話が置かれている台の奥に設置された銀色のドアを開ける。

一階上にある派遣先のオフィスより広い。

両側にスチール製の本棚が壁伝いに置かれ、グレーのカーペットが床を覆っている。

空間をもてあますように真ん中に大きな白いテーブルがひとつ置いてある。

そのテーブルの奥にある窓辺の事務机にノートパソコンが1つ置かれていた。

テーブルに添えられた椅子に私と郡司さんがそれぞれ座った。

緊張しながら待っていると、しばらくして銀色のドアが開いた。

その人を見た瞬間、胸がぎゅっと苦しく、違った意味で緊張感が走る。

長身で細身の灰色のスーツに身を固めている。

髪の毛はゆるくウェーブがかっており、銀色のフチのメガネをしていた。

端正な顔立ちに自分の体の熱があがる。


「室長の五十嵐政義です」


私を見るなり、その人の口元が笑っていた。
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