月星鬼
それは沙季も同じみたいでノートすら開かず寝てる。
先生も見て見ぬ振り。
カサッと音がして机の隅を見る。
一切れの紙。
【放課後図書室の資料整理
1人で頑張ってね。】
明らかにあの人が書いたであろうメモ。
資料整理とか何分かかるかも分かんない…
チョッカー忘れないで良かった。
昼休みも特に変わったことはなかった。
そして、全ての授業を終了した。
部活動や寄り道の話で教室内は活気に満ちる。
1人だけどんよりってイタイ。
私は下校時刻になると図書室に向かった。
「何これ…」
思わず声に出してしまう程の量。
そして埃に薄暗さ。
この図書室は教室が固まってる校舎から離れていて、殆ど使われていない。
ほぼ資料室と化してる状態。
自分たちの奉仕活動ぐらいしなよね。
私が報告にいくとまた奉仕活動くらうのに、それぐらい気付くでしょう。
「はぁ…」
カーテンを開け換気をする。
そして床や机に山積みにされている本を移動させたりと…
それだけでも40分…
3人分を1人ってどういうコト。
「はぁ……」
資料整理を始めて幾度目の溜め息。
腰も痛くなってきたしこれを五十音順と種類ごとに分けなきゃいけないなんて。
1時間かかるでしょう。
1人虚しく作業を再開していた。