愛と哀






部屋を出ると、春田くんが階段の前に立っていた。




「春田、くん……?」


「……」


「ねぇ……どうしたの……?」



春田くんはずーっと一点を見つめている。


その視線の先を辿ってみると……。





「っ……」



階段を降りた所に春田くんの母親が倒れていた。

頭から血を流して。





「鬱陶しくてさ、階段から突き落としちゃった」


「っ……」



何で、冷静なの?
自分の母親なのに。




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