愛と哀
中はシンッと静まり返っていて、誰もいないみたいだった。
「お邪魔します……」
放課後に誰かの家にお邪魔したのは初めて。
生まれて初めての経験が、とにかく新鮮でいろんな意味でドキドキした。
リビングに案内され、白いフカフカのソファーに座るよう促された。
「ジュースがいい?それとも紅茶?」
「えっと……どっちでも」
「了解」
室内はわりと殺風景で、家具はダイニングテーブルとソファーとテレビといった必要最低限の物しかなかった。