初恋も二度目なら
「庭付きな」
「ね?だからここはムダに広いって言ってるでしょー?一人でいると、寂しいのよぅ」
「実際見て、ユキオくんが言ってたことが分かりました・・・あ!あの、ぶちょう?」
「なんだ」
「じゃあ部長も、ビルとか土地とか所有されているんですか?」
「ああ。いくつか持ってたが、アメリカ赴任を機に大半を親戚に譲渡して、今住んでるマンションの土地と建物だけに絞った」
「だから悠里(こいつ)も俺同様、別に働かなくても、十分な資産はあるよ」
「はぁ・・・・・・」

でもこの二人は、今就いてる仕事もデキる男性(メンズ)であることに間違いない!

「ユウくんたちのお父様ってー、その業界ではそこそこ名の知れた画家だったてこともー、やっぱりサヤコちゃんは知らないのよね」
「今、知りました・・・」
「聞かれたことねえし」
「あーっと、そこに父さんの絵があるよ」
「見たい!です」と言って立ち上がった私に、悠希さんはニカッと笑うと、「悠里、案内してやって」と言った。

< 214 / 256 >

この作品をシェア

pagetop