初恋も二度目なら
「・・・とにかく、出張サポート事務をしてみることで、営業にはこういう仕事もあるということが分かれば、あいつにも営業の資質があるかもしれない」
「つまり部長は、芥川さんにチャンスを与えた、ということですね?さすが部長っ!」
「俺は川端にもチャンスを与えたつもりだ」
「出張の件でしょ?」
「それだけじゃない。あいつはどんなタイプの女が自分に合うのか、分かっているようで分かってないようだからな。気づきを与えてやった」
「は・・・ぁ」
「たぶんこれで、川端がおまえに言い寄ってくることはないだろう。おまえがあしらう必要すらない」
「そぅ・・・。ぶちょーの言ってること、全然分かんない」
「おまえはニブい女だからな」
「っていうかー、やっぱりユウリくんはー、私情を挟んでるんじゃないの」
「結果的にみんな上手くいけばいいんだよ」
「相変わらず屁理屈こねまくりだなー、おまえは。だから6年も帰国しなかったんだよなぁ」
「え?それどういう・・・」

あれ?なんか急に眠気が襲ってきた・・・。

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