初恋も二度目なら
「あれからさー、ちょっと大変だったんだ」
「え?どうしたの?」
「新人の芥川さん。彼女、飲むとますます強気になるんだな」

川端くんが「ますます」とつけたことに、私は納得するように頷きながら、クスッと笑った。

「部長にさ、“なんで私、事務なんですか?得意の英語を活かしたいから営業希望してたのに!”ってケンカ腰に言ってたし」
「うわ。なんて自殺行為、じゃなくって強気なことを・・・」
「彼女、見た目はお嬢様風なのに、しゃべると品がないっつーか、自分に自信持ってるって勘違いしてるっつーか・・・若さ故か?あれは」

川端くんの意見に、また納得してしまった私は、「あぁ・・」と無難な受け答えをすることしかできなかった。

確かに芥川さんは、自分に自信を持っていると思う。
でも何というか・・・経験が足りないような。
とにかく浅い気がする。
それは川端くんが言った、「若さ」ゆえの暴走・過信なのかもしれない。

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