初恋も二度目なら
「あ。そういえば卜部ちゃん」
「はい?」
「習い事って何してんだ」
「ええっと、お料理教室」

私が婚活中であることは、部長以外、誰にも内緒なので、「婚活」という枕詞は、もちろんつけなかった。

「へえ。卜部ちゃんって、昼弁当持参してることが多いからさ、料理できそうなのに。意外だなー」
「うーん。まあ、ひとり暮らし歴が長いこともあって、お料理全くできないってわけじゃあないんだけどね」

だから、わざわざお料理を習う必要はないかもしれない。
でも私はユキオくんのお料理教室へ行くことができて、良かったと思っている。
ユキオくんから、お料理を通して、「おいしい私の作り方」みたいなものを教わっているから。

私は川端くんにニッコリ微笑むと、「昨日はね・・・」と作ったものを簡単に説明した。

「・・・グレープフルーツゼリーがね、もうすっごく美味しいの!たくさん作ったからって、先生がお土産に持たせてくれたんだけどってちょ、ちょっと川端くんっ!?」

私が話してる途中、川端くんがいきなり私の腕を掴んだ。
と思ったら、斜め前にある大きな樹のところへ、私を引っ張りながら歩いた。

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