黒い羽と嘘と執着

「ずびっ…ずびっ……」



鼻を啜りながら心を落ち着かせる



ガラッ……



そんなとき突然ドアが開く



「燿、また聞いてたの?悪趣味」



「悪かったな悪趣味で」



そう言いながら私の方に歩いてくる



「椿」



「何?」



ふわっ



!!??



「ありがとな」



え、私、今燿に抱きつかれてる!?



「お、お礼言われるようなことしてないよ、お節介が偶々上手くいっただけ」



「ああ、それでも、ありがとな
次朗は椿に救われた」



頭上から降ってくる低音ボイスにドキッとしてしまう



何よりこのシュチュエーションにクラクラして倒れそう




< 89 / 105 >

この作品をシェア

pagetop