黒い羽と嘘と執着
「そ、それならよかった……ねえ燿」
「ん?」
「そ、そろそろ離れてくれる?」
「ああ、悪い」
キーンコーンカーンコーン
燿がすっと離れるとドキドキをぶち壊すようにチャイムがなった
「椿」
「な、何?」
「今日からテストだろ、早く戻らなくていいのか?」
「あ!!!」
忘れてた、ヤバイ!ヤバイ!
私は叫ぶと燿をおいて教室に走って戻った
結局抱き締められたことはうやむやになってしまって、
燿にドキドキしたのは私の心の中に閉まっておくことにした