恋のお相手は小さな男の子
勇気……か。
ぼけっとそんな事を考えていると、
「あっ、ここであるんだって!」
そう言いながら夕香が足を止めた。
目の前にある自動ドアの中へと目を向けると、パネルを立てただけの簡易ブースがズラッと横に並んでいる。
中に入ってみると、思っていた以上にその場所は広く、普段は休憩所として使われている所を今日は説明ブースにしたらしい。
「全学部があるんだ」
キョロキョロとブースを見て歩いていると、隣の夕香からクスクスという笑い声が聞こえてくる。
「葉月も気になる学部ある?」
「いや、特に無いかも」
「ハハッ。だよね。付き添いありがとね」
笑ってそう言う夕香は多分私の答えを分かっていたのだろう。
それに「いえいえ」と軽く答える。
きっと夕香の問い掛けは、お礼を言う為に聞いただけ。
気にしなくても大丈夫なんだけど、凄く周りに気を遣う夕香らしいっていえば、夕香らしいのかもしれない。