涙色のバレンタイン。
(大雅クンと仲良くするには、恋人のフリをすればいいんだ…。
そうすれば少しでも、距離が縮まるんだし…)
あたしはキミに、初めて嘘をつく。
でもこれが、後にも先にも最後の嘘だから―…。
「じゃあ、練習。お願いしちゃおうかな…」
少しだけ笑みを見せると、大雅クンの表情が一瞬だけ強張った。
「大雅クン?」
「んな、可愛い顔で笑うなよ…」
赤い顔をして、そっぽを向いていた。
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